本記事では、大学編入試験「数学」の勉強方法とおすすめの参考書を紹介していきます!
高専からの大学編入、または理系学部への大学編入を目指す場合、
数学、物理、英語(TOEICが一般的)
の試験を受けなければなりません。
高専時代の私は、お世辞にも数学が得意とは言えず、とても苦労しました。
そんな私でも、勉強方法を工夫し、今回紹介する参考書を駆使することで、難関国公立大学への編入を果たしました!
・数学に自信がない、、
・これから本気出す、、!
とお考えの方に向けて、数学の試験を突破するためのおすすめの勉強方法と参考書をご紹介します。
本記事で紹介する本と勉強方法を実践すれば、きっと実力につながります。
ぜひ参考にしてみてください!
また、他の科目についての解説記事も参考にしてみてください!
・【高専生】大学編入のやること解説!〜勉強方法と間違いない参考書〜
大学編入の数学科目の概要
はじめに、大学編入における数学科目の概要について軽く説明します。
範囲・分野
主に大学編入の数学科目で問われる範囲・分野はこちらです。
・微分:導関数、極限、増減、極値、べき級数展開、偏積分など
・積分:不定&定積分、部分積分&漸化式、重積分、面積・重心・体積・曲面積など
・線形代数:行列、行列式、ベクトル、線形写像、固有値、固有ベクトルなど
・複素関数:複素微分、複素積分、特異点・留数など
・確率・統計学:確率変数、確率分布、相関、検定など
・応用数学:フーリエ級数&変換、ラプラス変換、ベクトル解析など
高専では5年生で習う範囲も含まれています。
早めに始める方で習ってない範囲を勉強する際は、基礎からの参考書を使うと良いです。
前半3分野はどの大学でも頻出します。
大学によっては範囲に含まれていない分野もあるので、出題範囲を確認したり、過去問を見て勉強すべき分野を把握しましょう。
過去問の入手方法
編入の試験問題は、分野や傾向はそれほど大きく変動しません。
なので、過去問を入手して対策することが効果的です。
入手方法は3つです。
大学に問い合わせして資料請求する
各大学に請求すれば、数年分の過去問がもらえることが多いです。
問い合わせ自体は電話やメールなどで良いですが、過去問自体は郵送でもらえることが多いです。
高専が保存している過去問をコピーする
過去の編入受験生から過去問を集めて保存している高専がほとんどだと思います。
なので、教授や学務に問い合わせてみましょう。
先輩や友達にもらう
部活や寮で仲の良い先輩もしくは友達がいれば、その人に頼んで過去問をもらいましょう。
これが一番手っ取り早いかもです。
例えその人が持っていなくても、その人の周りには必ず編入対策をしている人がいるはずです。
さらに、受験を終えた人だったりある程度勉強を進めた先輩からは、解答も一緒にもらえるかもしれません。
解答があると、過去問を使った対策がとてもやりやすくなります。
おすすめ参考書
ここからは、編入数学の勉強に最適な参考書を紹介していきます。
基本的には、有名な徹底研究&演習シリーズとマセマのキャンパス・ゼミシリーズだけです。
これだけで十分すぎる効果が見込めます。
これらは実際に私が使った本であり、これらの本を使って、
ちんぷんかんぷん → 応用問題も初見で対応可能
まで成長できました。
各参考書に対する評価としては、
・難易度
・使いやすさ
・問題量
を五段階で評価していきます。
総合対策
総合対策の本は、有名な3冊(もしくは4冊)だけで十分です。
編入数学徹底研究
難易度 :★★
使いやすさ:★★★★★
問題量 :★★★
編入数学といえばまずこれです。初めは難しく感じると思いますが、折れない程度の難易度で編入数学のスタートに最適です。
演習問題はそれほど多くない代わりに、公式や解答の解説が充実していて丁寧で使いやすさ満点です。
とりあえず、編入数学はこれを見てからスタートです。
編入数学徹底演習
難易度 :★★★
使いやすさ:★★★
問題量 :★★★★★
徹底研究よりも難易度の高い問題が含まれていて、例題を含めて問題量が多く実力をつけるにはもってこいです。
解答の解説はそこまで親切ではなく、誤植もあるので使いやすさは控えめの評価です。
ある程度基礎がわかったので問題を解いて実力をつける、というステップで活用すると良いです。
編入数学過去問特訓
難易度 :★★★★
使いやすさ:★★★★★
問題量 :★★★★
編入試験に合格したいなら、この本の問題はできるようになっておきたいです。上記2つよりも難易度が高い、過去の問題事例が収録されています。
問題のレベルはA、B、Cで分かれていて、難しい問題ばかりではないですが、極端に簡単すぎる問題はないので地方国立〜難関国立大を目指す全ての人におすすめです。
徹底研究と同じ方が執筆しており、解説もしっかりしています。
(参考:本当に数学が苦手な方向け) 編入数学入門
難易度 :★
使いやすさ:★★★★★
問題量 :★★
授業サボりすぎて、数学全然わからない、、
テスト前に詰め込んだっきりで公式とか全く覚えてない、、
そんな方は優しい難易度のこちらで始めると良いです。徹底研究のさらに入門バージョンといった本です。
微分・積分
微分・積分は編入数学では避けては通れない分野です。どの大学でも出題される分野といっていいでしょう。
その範囲は簡単な問題から恐ろしく難しい問題まで千差万別です。
苦手意識がある人、解けない問題や理解できないことがあるときは、これらを使って学習しましょう。
スバラシク実力がつくと評判の微分積分キャンパス・ゼミ
難易度 :★
使いやすさ:★★★★
問題量 :★
数学を本当に忘れていて、微分積分に自信がない方はこの本がおすすめです。公式がの導出経緯とその意味までしっかり解説してあります。
難易度の高い問題に適用できる公式集も役に立ちます。
微分方程式
ここでは、常微分方程式、偏微分方程式の本をそれぞれ1冊ずつ紹介します。
勉強し始めた頃にちょうど授業を受けていたので、そこまでお世話にはなりませんでしたが、授業中わからないことを調べたりできたのであって良かったと思います。
ちなみに、微分方程式は出題されない大学もあるので出題範囲をしっかり確認しましょう。
スバラシク実力がつくと評判の常微分方程式キャンパス・ゼミ
難易度 :★★
使いやすさ:★★★
問題量 :★
公式エッセンスと解説がわかりやすいです。ゼロからこの本だけで学ぼうとすると少し難しいかもしれませんが、持っていて損はありません。
大学編入後も活躍する可能性があります。
スバラシク実力がつくと評判の偏微分方程式キャンパス・ゼミ
難易度 :★★★
使いやすさ:★★★★
問題量 :★
1階偏微分方程式、2階線形偏微分はこの本でしっかりと理解ができました。ルジャンドル微分方程式の理解が難しかったものの、応用への足掛かりとなる内容が学べます。
線形代数
線形代数は、基本的にベクトル・行列・行列式徹底演習で学習し、ちらほらマセマを使う方法を取りました。
ベクトル・行列・行列式 徹底演習
難易度 :★★★
使いやすさ:★★★★
問題量 :★★★★★
線形代数分野の総合演習書として文句なしの内容でした。私は線形代数を8割方この本で学習しました。
線形代数分野の学習はとりあえずこの本を見て見ましょう。
問題も多く、解く力がつきましたが、解答が少し親切ではなかった印象です。
スバラシク実力がつくと評判の線形代数キャンパス・ゼミ
難易度 :★
使いやすさ:★★★★★
問題量 :★
基本的には、ベクトル・行列・行列式 徹底演習のカバーする内容と同じですが、解説はこちらの方が密度が高いです。
ベクトル・行列・行列式 徹底演習と合わせて使えば、線形代数分野は完璧でしょう。
確率・統計学
スバラシク実力がつくと評判の統計学キャンパス・ゼミ
難易度 :★★★★
使いやすさ:★★★★
問題量 :★★
確率・統計学は学校の授業レベルが高くなく、特に分野別対策は必要ないと思っていました。しかし、過去問特訓や過去問を見ても全くわからなかったので、対策にこちらの本を使いました。
結果、この本は少し難しいところまで踏み込んでいました。難しい事項は飛ばして基本的なことを学んでから飛ばしたところを再学習という形にしました。
基本的な確率統計ならば、もう少しやさしめのこちらで勉強しても良かったかもしれないです。
複素関数
応用数学の範囲に入ってくると、内容も難しくなりますが、出題される大学は限られてきます。
複素関数は、リファレンスとして次の本を参考にしました。
スバラシク実力がつくと評判の複素関数キャンパス・ゼミ
難易度 :★★
使いやすさ:★★★★★
問題量 :★
こちらの本は、主に公式とその意味の確認に使いました。やはり解説は丁寧で、公式エッセンスは便利です。
出題範囲に複素関数があって不安な人はおすすめです。
ラプラス変換
ラプラス変換は専門科目の授業で扱っていたので、編入試験よりも前にこちらの本を見ていました。
スバラシク実力がつくと評判のラプラス変換キャンパス・ゼミ
難易度 :★★
使いやすさ:★★★★
問題量 :★
応用数学の基礎も何もない時に、専門科目で扱うラプラス変換の学習用に使いました。
応用数学何もわからないよ、って方は一読の価値ありです。
フーリエ解析
こちらもラブラス変換同様、専門科目で扱う際に使用しました。まだ習っていない人におすすめです。
スバラシク実力がつくと評判のフーリエ解析キャンパス・ゼミ
難易度 :★★
使いやすさ:★★★★★
問題量 :★
非常に基礎的なことから解説してあります。これがなかったらきっとつまづいていたと思います。
授業で習っていない方におすすめです。
ベクトル解析
ベクトル解析は出題される大学もそう多くないので、対策にそこまで時間をかけるかどうかは微妙です。
しかも、難しいんです。これも専門科目繋がりでしたが、これは理解に時間がかかりました。
それでも、マセマの本がやはり安定でした。
スバラシク実力がつくと評判のベクトル解析キャンパス・ゼミ
難易度 :★★★
使いやすさ:★★★★
問題量 :★
スカラー場とベクトル場の解説がわかりやすくて助かりました。
数学科目の他に、電磁気学が科目にある人はこれあったほうがいいと思います。
購入のススメ:買うべきは総合対策本!他は最悪図書館でもOK
たくさんの本を紹介しましたが、これら全てを購入する必要はありません。
これらの本は定番中の定番で有名な本なので、高専の図書館にも置いてあると思います。
買うのであればこれらで良いです。
・総合対策の本
理由:・必須中の必須で使用頻度が高い
・みんな使うので図書館に行っても全部貸し出されていたりする
・苦手分野 or 未履修分野で図書館にない参考書
理由:・公式や解説を丁寧に学ぶべき
・一部図書館になかったり蔵書が少ないため
ちなみに、最新版であれば中古本で購入するのも手です。
おすすめ勉強法
ここからは、おすすめ参考書を使ってどのように勉強していけばいいのか、効率よく学習する方法について解説します。
勉強の進め方
私が考える効率の良い勉強の進め方は、
1, 総合対策本の解説と基礎問題(できるのなら応用も挑戦)
2. 意味不明or習っていない分野の参考書で基礎固め
3, 総合対策本の応用も含め演習を解きまくる
4, 各大学の過去問を解く&復習
です。
授業で全く習っていないわけではないし、ある程度理解できている分野が少なからずあると思います。
わかっていることも含めて全部学習するのは効率が悪いので、総合対策本から始めてみて、わからないところを潰していく進め方をしたほうがいいです。
そして応用まで手を伸ばしていき、最終仕上げとして過去問を解き、間違えた問題をまた復習しましょう。
問題への取り組み方
次に、問題を解いて実力をつけていくにあたって、初見の問題でも解けるようになるためのポイントをいくつか解説します。
解法を知る
数学には、公式やそれらを使った解法があり、それらを使うと答えが出ます。
公式とそれが示す意味、解法への組み込み方を理解していないと、問題は解けません。
(当たり前のことを言ってるだけですみません、、、)
まずはその理解からスタートです。
傾向を知る
解法を理解し使えるようになったら、その解法を使う傾向、パターンを理解しましょう。
簡単な例でいえば、
・この形の式を積分する時は、1/xで括るとあの公式が当てはまるんだよな、
・先にこの公式で処理してやれば、単純な式になって楽になるんだよな、
といったパターンを自分の中にたくさんストックしておくことが強みになります。
さらには、自分のミスや苦手の傾向も知ることで、より高得点を狙えるようになるでしょう。
他の視点やひらめきを知る
どう考えても解けない、これであってるのかわからない、そんな時は他の視点やひらめきを知るべきです。
例えば、
思い切って解答を見て解く、友達や先生だったりネットに質問して聞く、
などして、自分の中から生まれなかった視点やひらめきをインストールしましょう。
これらがたくさん積み重なって、初見でも難しい問題が解けるようになります。
まとめ
本記事では、大学編入試験「数学」の勉強方法とおすすめの参考書について紹介と解説をして参りました。
まとめると、
参考書:総合対策本とマセマのキャンパスゼミシリーズでOK
勉強法:総合対策→苦手分野基礎→総合対策等で演習→過去問で仕上げ
です。
今回紹介した参考書や勉強法が参考になれば幸いです!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!!
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